中嶋悟も感激のフィナーレ。鈴鹿1000kmで10年ぶりのGT優勝 (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 気温30度を超える真夏日となった日曜日、決勝レースはトラブルやアクシデントが続出した。上位を争っていたマシンが予想外のトラブルに見舞われ、次々と脱落していく。そんななか、ナカジマレーシングの64号車はミスやトラブルのない安定した走りで周回を重ね、123周目にトップに浮上した。

 序盤からトップを快走していたナンバー17のKEIHIN NSX-GTがタイヤトラブルでリタイアを余儀なくされたこともあり、レース終盤の64号車は後続に10秒以上の大量リードを築きながらの走行となる。そして最終スティントも松浦がしっかりとまとめ上げ、チームとしては実に2007年の最終戦・富士以来となる10年ぶりの優勝を成し遂げた。

「10年ぶりというよりも、最後の鈴鹿1000kmで勝てたというのがうれしいですね」

 レース後に中嶋総監督は、ようやく安堵の表情を浮かべた。鈴鹿1000kmはかつて自身もドライバーとして参戦しており、1985年には関谷正徳や星野薫と組んで2位表彰台を獲得している。

「我々のころはグループCカーで戦っていて、暑くて大変という思い出があります。シーズンのなかでも一番厳しいレースを勝てて最高ですね」

 また、ドライバーのふたりにとっても、特別な勝利となった。来日4シーズン目で待望のスーパーGT初勝利となったバゲットは満面の笑みを見せていた。

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