心が折れたか。アロンソの
「故意リタイア疑惑」でホンダとの関係は?

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 決勝では新品ウルトラソフトタイヤの威力を生かし、スタートダッシュを決めて7位まで浮上した。だが予選がそうだったように、やはり実力としてはルノーやフォースインディアには及ばず、3周目にDRS(※)が使えるようになると次々と抜かれていった。DRSを使えば15~20km/hは最高速が伸びるのだから、相手だけがDRSを使える状況ではディフェンスのしようがないのは当たり前のことだ。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。ドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

「Embarrassing(恥ずかしい)、本当に恥ずかしいよ」

 4周目に早くもそう言い始めたアロンソは、後続とのタイム差を伝えるレースエンジニアに対して不満をぶつけ始めた。

「ギャップなんて全然気にしていない。もうテストみたいなものなんだからな!」

 ピットストップで後ろに下がったアロンソに対し、ピットイン目前のバンドーンをあと1周抜かないでくれという指示に対しては、「どうしてだ!? (バンドーンは)僕がオーバーテイクできる唯一のXXXなクルマなのに!」と放送禁止用語まじりで不満を口にし、他車の前に出すための戦略だと説明されても、「どうせ抜かれるんだ、何も変わりやしないよ!」と罵(ののし)った。

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