ドヴィツィオーゾ&ドゥカティの強さは本物。ホンダ、ヤマハを脅かす (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「僕たちはライバル勢よりも速かったわけじゃないけど、いい位置取りにつけて好機を見計らい、抜いていくことができた。それがレースのカギになった」

 そう振り返るとおり、2列目6番グリッドスタートのドヴィツィオーゾは、序盤から先頭集団の後方で周回を重ねた。1周目からレースをリードしたのは、今回が最高峰クラス300戦目となるバレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)。その後方にロッシのチームメイトのマーベリック・ビニャーレス。さらにドヴィツィオーゾ、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)、カル・クラッチロー(LCRホンダ)たちがつける展開で推移した。

 途中、マルケスのマシンがホンダには珍しいエンジンブローでトップ争いから脱落。リタイアとなった。

 ドヴィツィオーゾは、全20周のレースの半ばを過ぎた12周目に2番手に浮上。そしてラスト3周で、それまで終始先頭を走行していたロッシをオーバーテイクして、トップの座を奪った。ロッシは、自分たちの傾向としてレース後半にタイヤの摩耗が激しくなることを不安材料に挙げていたが、決勝レース終盤はその憂慮が的中した格好になり、一方のドヴィツィオーゾは尻上がりにぐいぐいと力強さを発揮して、トップでチェッカーフラッグを受けた。ビニャーレスも最後にドヴィツィオーゾへの肉薄を狙ったが、わずかに届かず2位でゴール。ロッシは3位で終えて最高峰300戦目を表彰台で飾った。

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