今シーズンの「F1大変革」は
本当に起きたのか。開幕前の仮説を検証

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

(5)若手ドライバーが次々と台頭。世代交代の波がやってくる?【答え:×】

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、バルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)、ダニエル・リカルド(レッドブル)らがさらに台頭し、ドライバーの世代交代が進むと予想した。だが、確かにボッタスが初優勝(ロシアGP)を挙げ、レッドブルのふたりも随所で速さを見せるなど活躍したが、完全に世代交代が進んだとは言えない。チーム力の差があったとはいえ、チャンピオン争いはセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)というチャンピオン経験者によって繰り広げられている。

 ボッタスは新加入のメルセデスAMGに戸惑い、マシンやチームの仕事の進め方の習熟に時間がかかったことを認めている。しかしすでに2勝を挙げ、ハミルトンと同等の速さを見せることも増えてきた。選手権でもハミルトンから19点差のランキング3位につけており、シーズン後半戦の伸び次第ではタイトル争いに加わってくる可能性もある。リカルドとフェルスタッペンもすでに優勝争いをする力があることは十分に示しており、レッドブルのマシン性能次第では存在感を増してくるはずだ。

 しかし、ベッテルとハミルトンの速さと強さは依然として揺らいでおらず、彼らが世代交代の引導を渡されることはまだなさそうだ。

(後編につづく)

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