今シーズンの「F1大変革」は
本当に起きたのか。開幕前の仮説を検証

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 予想外だったのは、レッドブルがつまずいたこと。鬼才エイドリアン・ニューウェイが奇抜なマシンを作り上げてくるかと思われたが、開幕当初は2強チームに大きな差をつけられた。非力なルノー製パワーユニットに合わせて空力効率を優先した結果でもあるが、リアのダウンフォース不足と空力的不安定さに悩まされて出遅れた。

 しかし、スペインGP以降はアップデートが着実に進んで、車体性能では2強に追いつきつつある。「シーズン後半戦には2強を捕まえる」と豪語しており、ルノーの出力アップも含めてシーズンをかき回すことが期待されている。

 一方、3強チームとその他大勢の差が開いてしまったのは予想外だった。

 中団グループはレースごとにサーキット特性の違いで勢力図が変わるほどの大接戦だが、表彰台に挑戦できる速さを持ったチームは存在しない。シーズン前半戦で3強チーム6台以外の表彰台は、大荒れとなったアゼルバイジャンGPのランス・ストロール(ウイリアムズ)のみ。大きなレギュレーション変更に際して、チーム力の差がよりはっきりと浮き彫りになってしまった形だ。

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