今シーズンの「F1大変革」は本当に起きたのか。開幕前の仮説を検証 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ピレリのタイヤ選択がコンサバティブであったことや、ウルトラソフトが思ったほど軟らかくなくてスーパーソフトとの差が0.3~0.4秒ほどしかなかったこともあって、タイム向上幅は5秒とまではいかなかった。ストレートの長いシーズン後半戦のベルギーやイタリアでは、昨年対比で1秒も速くならない可能性もある。

 しかし、そうはいってもやはり高速コーナーの走りのダイナミックさは格別。シルバーストンのマゴッツ~ベケッツ~チャペルの高速コーナーでは昨年の映像がスローモーションに見えるほどで、F1ドライバーたちも笑顔が溢れていた。後半戦ではベルギーのセクター2や、鈴鹿のセクター1など、コースレコードを塗り替える驚異的な走りが見られることは間違いない。まさしく「史上最速のクルマ」たる走りを見せてくれるだろう。

(2)激しいバトル必至。決勝レースの争いからも目が離せない!【答え:△】

 開幕前の予想どおり、タイヤのデグラデーション(性能低下)が小さくなったことで、ドライバーたちがレース終盤までアグレッシブに攻めるシーンが多々見られるようになった。しかしマシン幅が広く、空力的な影響を受けやすくなったことで、追い抜きそのものは従来よりも難しくなった。

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