今シーズンの「F1大変革」は本当に起きたのか。開幕前の仮説を検証

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「大変革の年」と言われた2017年のF1は、シーズン前半戦を終えて本当にそうだったのか。後半戦に突入しようとしている今こそ、改めて振り返ってみるべきだろう。開幕前にスポルティーバでピックアップした「2017年シーズン10大注目ポイント」が正しかったのか、それとも間違っていたのか――。ここで「答え合わせ」をしておこう。

鬼才ニューウェイが手がけた今季のレッドブルの評価は?鬼才ニューウェイが手がけた今季のレッドブルの評価は?(1)F1史上最速。「高速コーナリング」の迫力に注目せよ!【答え:○】

 ダウンフォースの増大とタイヤのグリップ向上により、「F1は1周あたり約5秒ものタイムアップを果たす」と予想していた。その向上幅はサーキット特性によって差があり、コーナーが多ければ多いほどタイムは短縮される。空気抵抗が増えた分だけ最高速は10~15km/hほど遅くなっており、逆に言えばそれでも何秒もタイムアップを果たしているのは、それだけコーナーが格段に速くなったということだ。

 2016年と2017年の予選最速タイムを比較すると、もっとも速くなったコースはハンガリーの昨年対比4.61%(3.689秒)で、続いて中国の3.9%(3.724秒)、スペインの3.48%(2.851秒)とタイムアップ。もっとも差が開かなかったのはバーレーンの0.81%(0.724秒)で、シーズン前半戦の全11戦で平均2.6%のタイムアップを果たしている。

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