ザウバー初テストでF1の味を知った松下信治。日本人復活への第一歩 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

 しかし、上位勢が幾度となくやったようなウルトラソフトを履いたアタックラップは一切行なわず、30kgや40kgもの燃料を搭載してスーパーソフトでロングランを行なうプログラムばかりをこなした。午前中はソフトタイヤで自身のマシン習熟と空力データ収集を行なった後、午後は4セットの新品スーパーソフトタイヤを使い、さまざまなセットアップでロングランの傾向を見るチームのテストプログラムをこなしたのだ。

 そのほぼすべての周回で1分23~24秒台の安定したペースを刻み、曲がりくねったハンガロリンクでリアタイヤをオーバーヒートさせないドライビングも学んでいった。

「エンジニアからはターン1とかのブレーキングはすごくいいと褒めてもらいました。最初からレギュラー陣のFP-3(フリー走行3回目)のブレーキングと同じくらいまで詰められていると言われて。ただ、セクター2のターン8~9~10ではちょっとブレーキを踏みすぎて、『F2っぽく走りすぎている傾向がある』とも言われました。

 パスカル(・ウェーレイン)と比べると、彼はブレーキをもっと軽くポンと踏んで、もう少し速い速度でコーナリングしているんです。そういう指摘はありました。ただ、基本的にはミスをせずにコンシステント(一貫性)に走ることや、ステアリングのスイッチ操作をスムーズにやるっていうのがテスト走行の目的でしたので、それはうまくやれたと思います」

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