あのクビサがF1に帰ってきた。6年ぶりドライブで現役復帰は見えたか (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

 なにより、この激しい前後左右Gと暑さのなかで、何の問題もなく最新のF1マシンをコンペティティブな速さでドライブできたことが大きかった。

「僕は10ヵ月前とも、4ヵ月前とも同じ人間だ。(右腕の)身体の制約は以前と同じままだ。だけどクルマの外で見るよりも、クルマのなかでのほうが格段にいいよ。痛みを感じたりすることもなかった。もちろん疲れているけど、一番の問題は暑さで、(体力面の)フィジカル的にはたくさんのトレーニングを積んで準備をしてきた。F1に復帰できると思ってそうしてきたわけじゃなくて、テストドライブのチャンスがあれば、そのときにはきちんと準備が整った状態にしておきたいと思ったからそうしてきたんだ」

 クビサは自分の走りに満足しているが、「100%満足だとは言わない」とも語った。それは、まだまだ速くなれるという意味だ。

 昼休みに初めてマシンから降りて、自分の走りを見つめ直し、午後にはさらに走りを改善することができた。それがターニングポイントだったと言う。

「昼休みに初めてクルマから降りてしばらく落ち着いて、14時にもう一度クルマに戻るときには違うドライバーになったみたいな感覚だった。クルマがより一層、自分にフィットしたように感じられたし、それはいいサインだった。

5 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る