あのクビサがF1に帰ってきた。6年ぶりドライブで現役復帰は見えたか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文・撮影 text & photo by Yoneya Mineoki

 つまりこれは、格段に速くなった2017年型マシンでグランプリ開催直後のハンガロリンクで行なう「F1復帰に向けた最終テスト」だった。

 クビサは1時間の昼休み以外はクルマから降りることなく走り続け、計142周を走破。チームのマシン開発のためのテストプログラムを淡々とこなしながら、全体で3番手の1分18秒572を記録してみせた。コンディションが異なるとはいえ、これはハンガリーGP予選でジョリオン・パーマーが記録したタイムに0.157秒差と迫る非常にコンペティティブなタイムだ。

 彼がストレートを通過するたびに歓声と拍手を送っていたクビサ応援団たちは、午後6時のセッション終了後にもサーキット中が注目するほどの大クビサコールで彼の走りをねぎらった。1日の走行を終えたクビサは、朝一番のコースイン時にリアタイヤでピットガレージの柱を引っかけて頭上の看板を落下させたことを笑い話にしながら、現役当時のままの大らかで明るい姿を見せた。

「まず、1日の一番最初がイージーじゃなかったね。F1キャリアでもっとも大きなミスのひとつをしでかしてしまったから(笑)! ピットガレージの前にたくさん人がいたから、彼らを引っかけないようにと気をつけながらガレージを出て行ったんだけど、今年のクルマが今まで乗ってきたクルマよりも長くてワイドになっているのを忘れていたよ(笑)。でも、あれが今日1日で唯一のミスだったからね。それはポジティブに考えていいと思う」

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