マルケスの判断力&ホンダの対応力。天候不順のレースなら任せとけ! (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 マルケスは、この咄嗟の判断力が非常に優れている。この数年のフラッグ・トゥ・フラッグのレースを振り返っても、昨年の第9戦・ドイツGPでは2位に9秒差、一昨年の第13戦・サンマリノGPでも、2位の選手に対して7秒以上の大差でいずれも優勝を飾った。これらのレースでは、コンディション変化に応じて乗り換え用のマシンを素早く準備し、サインボードなどで選手と的確にコミュニケーションを取るチームの対応力も、勝利に大きく貢献している。まさに抜群のチームワークの賜物、といえるだろう。

 一方、今回のようなレース展開を比較的苦手としているのが、バレンティーノ・ロッシ(モビスター・ヤマハ MotoGP)だ。今回は4位で終えたが、レースを終えたロッシは「フルウェットもしくはフルドライの状況なら表彰台を狙えただろう」と振り返った。

 フラッグ・トゥ・フラッグのレースを不得意としているのは本人も認めるところで、その理由は「なまじウェット路面で速く走れてしまう」ためにタイミングを逸してしまいがちなのだとか。過去のフラッグ・トゥ・フラッグのレースでは、2015年のサンマリノGPでは5位、昨年のドイツGPは8位というリザルトだった。

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