鈴鹿8耐でヤマハが史上初の3連覇。頂点奪還を狙うホンダを返り討ち (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 そう言って、少し照れたような笑みをうかべた。

「でも、2~3週間もすると、レースのことを思い出して、また走りたくなってしまう。あの勝利の格別な気分を、もう一度味わいたくてしようがなくなるんだ。だから僕は、毎年ここに戻ってくるんだ」

 この3選手が揃ったことで、ヤマハファクトリーレーシングチームは全参戦チーム中、唯一3名全員が優勝経験のある選手で構成されたチームとなった。本命視されるのも、当然だろう。

 7月30日午前11時30分にスタートした決勝レースは、3年連続のポールポジション。チームリーダーの中須賀がスタートライダーを務め、8時間にわたって3名がそれぞれの強さと速さを存分に発揮し、圧倒的な優位を築いて独走態勢に持ち込んだ。

 8時間を走りきって、トップでチェッカーを受けたときの周回数は216周。昨年よりも2周少なく、周回記録数の更新はならなかったが、レース序盤が雨を匂わせる微妙な天候であったことや、レース途中で転倒車処理のために何度かセーフティカーが入ってペースをコントロールしたことを考えれば、これは完璧といってもいい周回数かもしれない。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る