「ホンダのせいにできないコース」で
問われるマクラーレンの車体性能

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 それはメルセデスAMGやフェラーリも認識しており、またレッドブル自身も認めている。

「このサーキットはパワーの影響が少ないし、その意味で僕らにいくらかの追い風を与えてくれる。だから上位との差は縮まる」(ダニエル・リカルド)

「ここ数戦とは違い、ハンガロリンクはモナコ以来の最大ダウンフォースで走るサーキットだ。レッドブルもかなり速いはずだし、上位勢はかなりタイトな争いになるだろう」(バルテリ・ボッタス)

 となれば、空力性能は高いと言われ、車体単体の性能ではレッドブルにも追いつきつつあると言われるマクラーレンMCL32と、レッドブルRB13の差に俄然注目が集まってくる。

 スペック3を投入してからのホンダは、ルノーに対して20kW程度の差まで追いついてきていると見られている。つまりハンガロリンクでは、ラップタイムにして0.3秒程度だ。マクラーレン・ホンダがレッドブルに0.3秒差まで迫ることができれば、車体性能としては互角だと見ることができるというわけだ。

 だからこそマクラーレンは、このハンガリーGPを重点レースと捉え、ずいぶん前からここをターゲットに開発してきた大型アップデートを持ち込んできた。チーム関係者によれば「前後ウイングともに刷新し、モナコGPを上回るダウンフォース量を発揮する最大ダウンフォースパッケージ」だという。

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