「SUGOの魔物」にホンダが飲み込まれ、
昨年GT王者が乱戦を制す

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 2017年のスーパーGTも中盤戦に突入。7月22日~23日、シリーズ第4戦が宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。

 昔から「SUGOには魔物が棲む」と言われており、毎年必ずといっていいほど、通常では起こり得ないような波乱が次々と発生する。雨模様となった決勝レースは、今回もまったく予想がつかない展開の連続だったが、その荒れたレースを制したのはナンバー1のDENSO KOBELCO SARD LC500(ヘイキ・コバライネン/平手晃平)だった。

待望の今季初優勝を手にした平手晃平(左)とヘイキ・コバライネン(右)待望の今季初優勝を手にした平手晃平(左)とヘイキ・コバライネン(右) 第4戦のスタート前は、雨が降ったり止んだりと、微妙なコンディション。天候が回復するとみて晴れ用のスリックタイヤを履くか、それとも雨が降り続くことを想定して雨用のウエットタイヤを選ぶか......。スタート直前のグリッド上は、いつも以上の緊迫感に包まれていた。

 そんななか、予選7番手からスタートの1号車はウエットタイヤを選択。結果、この判断は吉と出て、スリックタイヤを選んだライバルたちは1周目から大きく後退した。さらに5周目にはGT300クラスでアクシデントが発生し、早くもセーフティカーが導入される波乱の展開となる。

 スタート序盤は、予選1位から3位を独占したホンダNSX-GT勢がレースをリード。それに対し、ウェイトハンデが比較的軽い1号車のヘイキ・コバライネンは積極的に攻めていく。

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