ホンダが「どうせダメ」といわれたイギリスGPで示した0.3秒の進化 (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 決勝では接戦のなかで入賞圏内を走っていたバンドーンがピットストップでフェリペ・マッサ(ウイリアムズ)に逆転され、最後まで抑え込まれて抜けず11位に終わった。アロンソは13位まで挽回し、もう1台のウイリアムズを抑えていたが、燃圧低下でマシンを止めるしかなかった。車体からは燃料の匂いがしたといい、燃料タンクからエンジンへ燃料が送られるまでの配管に問題があり、そこから燃料が漏れ出したようだという。

 それでも、苦戦を強いられると思われていたシルバーストンでコンペティティブな走りができたことで、チーム内にはポジティブな雰囲気が漂い始めた。

「ポイントが獲れなかったことは残念だよ。でも、今週末はたくさんのポジティブな要素があった。レースは完璧にはいかなかったけど、2台のフォースインディアやウイリアムズからそんなに離れていない位置でフィニッシュできて、今日のペースはとても勇気づけられるものだった。残念ながら今日はポイントを獲ることはできなかったけど、その時はいずれやってくると思うよ」(バンドーン)

 言うまでもなく、3年目のマクラーレン・ホンダが目指す場所は中団のトップなどではなく、表彰台、そして優勝であるべきだ。しかし、車体もパワーユニットも一足跳びにトップに躍り出るようなミラクルは、F1界には存在しない。

 ライバルたちも前進し続けるなかで、マクラーレン・ホンダがそれよりも速い歩みを見せていることも、また確かだ。

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