ワイド化F1での度胸試し。今年のシルバーストンは「恐ろしく速い」 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 驚異的な速さを誇る2017年のF1マシン。その空力性能を存分に発揮させてくれるサーキット。そのふたつが揃った今年のイギリスGPは、ドライバーたちに至上の喜びと難しいチャレンジを与えてくれるはずだ。

「こんなに速いシルバーストンには誰も準備ができていないはずだ。シルバーストンは中速コーナーや高速コーナーが多いから、横Gだって1Gとか、もしかしたら2Gくらい強くなるかもしれない。身体的にもかなりきついレースになるだろう。とにかく楽しいだろうね!」(ハミルトン)

 ハミルトンは現在3年連続で母国イギリスGPを制しており、2008年の勝利も合わせると計4勝。今年勝てば通算5勝でジム・クラークとアラン・プロストに並ぶ歴代最多タイとなる。

 そして、選手権のことを考えても、過去2戦はヘッドレストとギアボックスのトラブルで立て続けに勝利を逃しており、ランキング首位のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に20ポイント差をつけられているため、ここは是が非でも勝っておきたい。大観衆の声援を受け、ただでさえプレッシャーのかかる母国レースだけに、選手権を争ううえでも正念場の重なる厳しい週末だ。

 そんなイギリスGPを前にした水曜日に、ロンドン中心部のトラファルガー広場周辺を10チームのF1マシンが走り、F1ドライバーたちが勢揃いするというイベントが開かれた。実に10万人もの観衆が詰めかけ、新たなファン層開拓のために大きく貢献した。

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