F1ホンダ、得点0も待望のスペック3は
「レースをしている」感あり

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 スペック3を投入したこのオーストリアGPが、ホンダにとって将来の行く末を左右するターニングポイントになるかもしれないと見られていた。

 これまでチーム内に漂っていたホンダに対する厳しい声やギスギスした雰囲気は、明らかに薄らいでいた。依然として目標とする地点への距離はまだまだ遠いが、それでも少しずつ前に進みつつあることをチーム全体として理解し、共有することができたからに他ならない。

 パワーユニット単体で見れば、他3メーカーとの出力差はまだまだ大きい。しかし、スペック3によってわずかでも差が縮まったことも事実だ。そして車体の開発も少しずつ進んで、空気抵抗の大きさという弱点は少しずつ改善されつつある。

「開発はひとつひとつの積み重ねですから、一度にいきなり追いつくなどということはありません。しかし我々は、確実に前進している。これが積み重なっていけば、いずれはトップチームに追いついていけると思っています」

 必ずしも結果だけがすべてではない。結果にこそ表れることはなかったが、将来を占う"ターニングポイント"と位置づけたオーストリアGPを、マクラーレン・ホンダはうまく駆け抜けたようだ。

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