すべてはスペック3の実力次第。第9戦にホンダF1の命運がかかる (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 パワーの影響が大きいバクー・シティ・サーキットでは10kW(約13.6馬力)が0.25秒に相当するため、0.3秒ということは12kW(約16.32馬力)前後の出力向上ということになる。ただ、これで他3メーカーとの差を大きく詰めることができるわけではない。アロンソが「過度な期待をしたくない」と言うのは、そういうことなのだ。

 レッドブル・リンクは1周が1分10秒以下と短いうえに、全開率は高いもののストップ&ゴーではないため、パワー差がそれほど大きくは出ない。むしろ、ストレートに合わせた薄い空力パッケージで中高速コーナーをいかに速く走れるかが重要となるので、アゼルバイジャンで完成したレスダウンフォース空力パッケージが効果を発揮するはずだ。チームではレッドブル・リンクよりも、むしろ第10戦のシルバーストンのほうが苦戦を強いられるだろうと見ている。

 必要以上に期待をする必要はない、今週末は本来あるべきポジションに戻るだけだ。アロンソはそう語る。

「今週もポイント獲得が目標だよ。ここまでのレースを振り返ってみれば、僕らはリタイアするまで入賞圏を走っていた。だから、このレッドブル・リンクでも同じようなパフォーマンスを発揮することは可能だと思っているよ。ポイント獲得というのは僕らにとって最低限の目標だよ。それはサマーブレイクまでの残り3戦すべてにおいてそうだ」

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る