3連勝より、あえて3位。エアレース
室屋義秀がポイント単独トップに

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by red bull

「ファイナル4で同じペナルティを受けてしまえば、4位に終わる可能性がある。それならば、多少タイムが落ちたとしても、ライン取りを変えてペナルティを避けよう」

 果たして、安全策を選んだ室屋は3位に終わった。覚悟の上とはいえ、3連勝となる優勝を逃す結果となったのである。

 しかし、レース後の室屋に暗さは微塵も感じられなかった。何が何でも優勝にこだわるのではなく、取れるポイントを確実に取る。そんなシーズン前からの目標(というより、姿勢と言ったほうがいいのかもしれない)を貫いた充実感が、むしろ上回っていたからだ。

「ファイナル4では離陸する前から、ライン取り(を変えること)は決めていた。タイムもラインも作戦通り。年間を通して考えれば、いいレースができたと思う」

 室屋はそう語り、通算4個目となる"銅メダル"を喜んだ。

 この結果、9ポイントを加算した室屋は、チャンピオンシップポイントを39まで伸ばした。第3戦終了時点では、マルティン・ソンカと30ポイントで並んでいたが、第4戦で4位に終わったソンカに2ポイント差をつけ、これで室屋が単独トップに立ったことになる。

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