佐藤琢磨にチャンピオンの可能性はあるか。
インディカー後半戦を予測

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 ニューガーデンとカストロネベスは、これら3人に続くセカンドグループ。ホンダ勢がショートオーバルを不得意としている点を考えると、ディクソンのアドバンテージは大きいとは言えず、ペンスキー勢、特にパジェノーの存在感が大きくなってくる。

 そして琢磨とレイホールは第3のグループ。彼らはまず、残るレースで1勝を挙げることが大きな目標になる。それが早いタイミングで達成されれば(例えばトロントにはチャンスあり)、一気に波に乗ってタイトル・コンテンダーとなり、最終戦に大逆転のチャンスを残すことができるかもしれない。

 残るレースでホンダ勢が強いのはポコノだ。昨年はパワーが勝ったが、超高速のオーバルでは、インディ500と同様にホンダ勢の方が速いはず。アンドレッティ・オートスポートも琢磨もポコノは得意としているので、好パフォーマンスに期待したい。レイホールも同様だ。

 ディクソンは今回のロード・アメリカで、ロードコースでも競争力があることを証明した。そしてミッド・オハイオ、ワトキンス・グレン、ソノマの3コースすべてで、実績を残している。ディクソンにとって重要になるのは、アイオワとゲートウェイでどれだけポイントのダメージを小さくできるか。フェニックスでのようにトップ5入りを果たせれば、5回目のチャンピオンシップ獲得の可能性は十分にある。残念ながら、ディクソン以外のホンダ勢はロード・アメリカでスピードが足りていなかった。

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