初ポイントでもアロンソご立腹。ホンダのスペック3で怒りは静まるか (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 それでも、旧型に比べて最高速は10km/hほど伸び、60kWものパワー差にもかかわらず、最高速の差が対メルセデスAMGで13m/h、対フェラーリで8km/h程度に収まっているのだから、上々のアップデート効果を得られたと言えるだろう。全体的にドラッグが大きいマクラーレンの空力に、空気抵抗が少なく効率のいいパッケージが加わったのは大きい。

 マクラーレンのマット・モリス(チーフエンジニアリングオフィサー)はこう語る。

「車体はスペインGPで半分、モナコGPでもう半分のアップデートを投入したのが効果を発揮していて、今回はここ(アゼルバイジャンGP)に合わせた薄い前後ウイングも持ち込んできたので、車体性能はレッドブルに並びつつある。サーキットによっては彼らをしのぐ性能を発揮していると思う。ただし、カナダもここもそうだけど、ストレートの長さとパワー不足を考えると、ウイングをもっと寝かせたいところではあるが、コーナーからの立ち上がりでのトラクションを考えると、そこまでフラップを寝かせるわけにはいかないんだ。パワーがあと60kWあれば何も問題ないんだけどね!」

 フェルナンド・アロンソは「ストレートで2.5秒から3秒は失う」と大げさに言うが、60kWのパワー差ならば、ラップタイムにして1.5秒。メルセデスAMGがまだ予選モードを使っていないQ1では40kW差であり、ラップタイムの不利は1秒。完璧なアタックが決められなかったQ1でのメルセデスAMGとのタイム差は2.351秒だったが、FP-3(フリー走行3回目)では1.999秒差。そう考えると、トップとの差は車体で1秒、パワーユニットで1秒というところまで縮まってきていると言える。

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