38歳ロッシが19戦ぶりの歓喜。
0.063秒差でダッチTTを制す

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 今回のレースは、さまざまな面で不確定要素や予想外の波乱が待ち受けていただけに、満足感はさらに大きかったことだろう。

 前戦のカタルーニャGPは、本来ならヤマハ勢が有利と目されていたコースだが、ロッシはトップから大きく引き離された8位。チームメイトでランキング首位に立つマーベリック・ビニャーレスはさらに後方の10位でレースを終えた。カタルーニャGPでもロッシは過去に10勝を挙げており、カタルーニャは相性の面でも抜群のはずだったが、今年のレースは課題しか残らなかった一戦になった。

 そのカタルーニャGP後に行なった事後テストで、ヤマハは今シーズンの問題を解消すべく、ファクトリーの両名に新しい車体を投入した。両選手とも好感触を得た様子だったが、そのテスト後最初のレースとなった今大会では、ロッシは金曜のフリープラクティスからこの新しい車体を試してフィーリングのよさを確認できたと、6番手タイムで終えたセッション後の夕刻に話した。

 翌日の土曜は雨の1日になった。ここアッセンは、1日のなかでめまぐるしく変わる天気でも有名で、今年のレースウィークも曜日ごとに異なったコンディションになった。午前午後とも雨のセッションを終えて、ロッシは2列目4番グリッドを獲得。

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