ザウバーCEO電撃解任で混乱。ホンダは「金づる」になってはならない (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 カルテンボーンの後任として今後、ザウバーの主導権を握るのが誰になるのか。その人選によっては、ザウバー側の意向や狙いが大きく変わってくる可能性もある。すでにザウバーとの関係のなかで視野に入っていた、ハンガリーGP後のインシーズンテストへのホンダドライバーの送り込みや、グランプリ週末の公式フリー走行出走などといった案件も、見直しとなる可能性がある。そしてホンダは、場合によっては2018年の供給を白紙撤回することも可能性として排除してはいないようだ。

 一部では「整理屋」として悪評の高いコリン・コレスが後任として就任するのではないか、との報道もなされた。

 コレスは2005年にジョーダンの売却に絡んでF1界に姿を現わすと、MF1、スパイカーとチームを売却しながら代表を務め、2010年には新興のヒスパニア(後のHRT)を率いたり、2014年後半には創始者トニー・フェルナンデスがサジを投げたケータハムを引き取り、チームが財政難で破綻するまで実質的な運営者を務めた。

 その過程で、運営資金を集めるためにペイドライバーを次々と入れ換えたり、脅しや詐欺まがいの手法を取ったりということも少なくはなく、スパイカー以降はすべてチームを消滅させているなど、パドックでの評判は決して好ましくはない。契約があったにもかかわらずシーズン後半に度々シート喪失の危機に晒された小林可夢偉は「世の中にあんなに酷い奴がおったんかというくらい、すごい経験をさせてもらった」と非難していたほどだ。

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