ザウバーCEO電撃解任で混乱。ホンダは「金づる」になってはならない (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「片方のドライバーを贔屓(ひいき)しているという報道が多々なされたけど、まず第一にこれは完全に間違いだし、このチームはふたりに同じ道具を与え、同じ優先権を与えてくれている。それに、もう一度成功を収めるために日夜、全力でがんばっているザウバーの全メンバーに対する敬意を欠いていると思った。だからあの報道には非常に当惑したし、チームに苦痛を与えていた。あのような報道がこれ以上広がることも避けたかった。だからチームはプレスリリースで正式に否定したんだ」

 ただし、2台の扱いに偏(かたよ)りがなかったかという質問を投げかけられたウェーレインは、否定をせずに「ごめん、その質問には答えられないんだ」とだけ語り、笑顔でうなずいて無言のうちにこれを肯定していた。

 昨シーズン中盤の出資によるチーム財政立て直しの後も、成績が一向に上向かないことに対する不満がロングボウ側にあったとも言われている。なかには、カルテンボーンが中心となってホンダと2018年以降のパワーユニット供給を結んでしまったことにロングボウが反対していた、というウワサさえパドックでは聞こえてきた。

 しかし、ウェーレインにはカルテンボーンが自ら電話で離任を伝えたのに対し、エリクソンにはチームからの報告のみ。この行動の差が、すでに事実を物語っていると見るべきだろう。

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