可夢偉、一貴のワンツーでスタート。
トヨタ勢が悲願のル・マン優勝へ

  • 川喜田研●取材・文 text by Kawakita Ken 写真提供:トヨタ自動車 photo by TOYOTA

 6月15日、今年で85回目を迎えたル・マン24時間レース(フランス)の予選2、3回目が行なわれ、トヨタ・GAZOOレーシングのTS050 HYBRID7号車(小林可夢偉、ステファン・サラザン、マイク・コンウェイ)をドライブする小林可夢偉が、3分14秒791の驚異的なラップタイムでポールポジションを獲得した。中嶋一貴のトヨタ8号車(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)が予選2番手につけ、トヨタ勢が予選フロントローを独占する結果となった。

コースレコードを更新してポールポジションを獲得した小林可夢偉コースレコードを更新してポールポジションを獲得した小林可夢偉 可夢偉がタイムアタックを行なったのは、予選2回目で他のマシンのアクシデントによる赤旗中断が明けた直後のことだった。予選後、可夢偉はその時の様子をこう振り返る。

「路面の状態もよくなってきていたし、コース上を走っているマシンの台数も少なく、アタックするにはこれ以上ないベストのタイミングでした。チームメイトからクルマがいい感じに仕上がっていると聞いていたので、うまくいけば15秒台もいけるかなと思っていましたが・・・・・・。コントロールラインを越えて、無線で14秒台と聞いた時には、さすがに自分でも『ワォ!』と思いましたね」

 予選直後のポールポジション記者会見では、外国メディアからスーパーラップの秘密について聞かれ、「ちょっと近道を見つけたので(笑)」とジョークで答えていた可夢偉。才能を存分に表現できるマシンを得た表情は、まさに"水を得た魚"だった。

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