まさかのエンジンブローでホンダに衝撃。次戦は新ユニットで正念場に (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 レース中にエンジニアからショートシフトを避けろという指示は出ていたが、セーフティカー走行中に低回転域でシフトアップを繰り返し、「どんなエンジンにもある、使ってはいけない回転域でシフトしてしまった。それですぐに壊れるというものではないが、それでダメージを負ってしまった可能性もある」(ホンダ関係者)という。いずれにしても、HRD Sakuraで開けてみれば原因は判明し、負荷によって壊れるものは剛性を増せばいいだけなので、対策を施すのも難しいことではない。

 リタイア直後に「グローブを投げ入れても届かないと思って」観客席へ飛び込み揉みくちゃになるファンサービスをしたアロンソは、「またエンジンがギブアップしてしまった。どうすることもできないし、次またがんばるしかない」と、それほど強い批判は口にしなかった。しかし、レース後に技術陣全員で行なうデブリーフィングには出席せず、サーキットを後にして"無言の抗議"をした。

 あと2周もっていれば、今季初入賞で、わずか1ポイントとはいえマクラーレン・ホンダは大きな前進を果たすことができたと言えたはずだった。しかし、今のマクラーレン・ホンダにはその力がなかったと言えば、それまでだ。

 ストレートが遅く、エンジンが壊れたことで、すべてがホンダのせいだと考え、極めて辛辣な声をぶつける人々もいる。それに対して、技術と結果で応えるしかないことはホンダもわかっている。

6 / 8

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る