全米が「インディ500勝者」と呼ぶ佐藤琢磨。年間王者に向けて激走 (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

「今、インディ500ウィナーのタクマ・サトウがピットからコースに向かいました」「インディ500ウィナーのタクマが好タイムをマーク!」と、サーキットアナウンサーがことあるごとに琢磨を話題にする。「インディ500ウィナー」は、もう琢磨の前につけなければいけない修飾語、あるいは新しいファーストネームと言っていいほどだ。

 それに気をよくしたわけでもないだろうが、デトロイトでも琢磨は好調だった。もともと2014年にポールポジションを獲得し、2015年には優勝争いをしての2位フィニッシュするなど、琢磨が得意とする、相性のいいコースなのだ。

 2つのレースが行なわれるデトロイトは今年からスケジュールが変わり、金曜はプラクティスだけとなり、予選はそれぞれのレースの直前に行なうことになった。

 レース1の予選は土曜日の午前中に開催。いつもの3段階の予選ではなく、2グループに分かれて一斉にタイムアタックするグループクォリファイング方式が採用された。琢磨は2グループ目で走り、2番手となった。トップも取れそうだったが、最後にグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)に逆転された。それでも、2列目イン側からスタートする権利を得たのだから、まずまずの結果だ。

 レース1の序盤は2位を走っていた琢磨だが、早めにピットに入る作戦が裏目に出て、結果は8位に終わった。

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