全米が「インディ500勝者」と呼ぶ佐藤琢磨。年間王者に向けて激走 (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

「飛ぶのはいつも深夜12時すぎで、とにかくすごく忙しかった。疲れました。でも、とても楽しかった。みんな本当に好意的に接してくれましたから」

 まるまる3日も続いたツアー。レースに向けてのコンディションが心配されたが、「毎年ウィナーは100パーセントのコンディションじゃない。ましてやデトロイトはダブルヘッダーで体力的にきつい。疲れて力を発揮できなくならないよう、かなり気をつけていました。インディカーのPR担当もそこはわかってくれて、この2晩は睡眠時間も十分取れました」と、インディ500ウィナーは新たなやる気を充填してデトロイト入りした。

 プラクティス5日間、予選2日間、さらにプラクティス2日間の後にレース......インディカードライバーたちはこの2週間ほど、インディ500の超高速での走行を延々続けてきたが、その次のレースはコースのキャラクターがガラリと変わる。デトロイトのダウンタウンのすぐ北、デトロイトリバーに浮かぶベル・アイル公園特設グランプリ・コースはバンピーでタイトなストリートコースだ。

 好天に恵まれて多くのファンが訪れた今年のデトロイト。琢磨は最も注目を集めるドライバーになっていた。もともと人気のないほうではない琢磨だが、インディ500優勝で知名度はさらに高まった。

2 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る