今度はドゥカティ。ドヴィツィオーゾが43年ぶり「完全イタリア優勝」 (4ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「人はそれを悲観的だというけど、現実的なんだと自分では思っている」

 そう、ドヴィツィオーゾ自身は言う。だが、ある意味ではこの言葉にこそ、彼の性格がもっとも端的に示されているとも言えるだろう。

「今はランキング2位で悪くないけれども、チャンピオン争いをするのは厳しいだろう。もちろん、そこを目指して走っているのだから全力でがんばるけど、『次で(優勝を)狙いたい』と言ってしまえる性格ではないし、だからこそ開幕以来、自分たちの長所と短所をしっかり見極めてきたんだ」

 一般に、高い能力を持つ人ほど自己評価が厳しいともいうが、彼の場合こそ、その典型例かもしれない。そして、ドゥカティがアンドレア・ドヴィツィオーゾをファクトリーライダーとして遇し続ける理由もまた、そこにあるのだろう。

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