エアレース恐るべし。室屋義秀を支える裏方たちも「凄腕パイロット」 (3ページ目)

  • 川喜田研●取材・文 text by Kawakita Ken

「レース・アナリストの主な仕事は、コース特性やコンディションに合わせた機体のセッティングと、最適な飛行ラインの解析でパイロットをサポートすることです。セッティングに関してはまず、パイロットが気持ちよく、自分の体と一体となったようなフィーリングで操縦できる機体に仕上げることが何よりも大切ですね」

 レッドブル・エアレースでは、エンジンとプロペラの形状についてはレギュレーションで厳しく定められているが、それ以外については自由度が高い。機体の空力などについては進化が速く、特にここ数年は、毎レースのように新たなアイディアが投入されることも珍しくない。

 一方の飛行ラインの解析は、独自のコンピュータソフトで、各コースごとに理想的でムダのない飛行ラインを見つけ出す作業だ。「同じコースでのシミュレーションでも、パイロットの飛行スタイルの"個性"や、当日の風などのコンディションを見極めなくてはいけません。また、ライバルたちがどこまでリスクを取って攻めてくるのか、それに対して、想定目標タイムをどのあたりに設定し、コースのどの部分でタイムを削るのかを考える必要もある」とベンジャミンは語る。

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