エアレース恐るべし。室屋義秀を支える裏方たちも「凄腕パイロット」 (2ページ目)

  • 川喜田研●取材・文 text by Kawakita Ken

チーム・コーディネーターのロバート photo by Kawakita Kenチーム・コーディネーターのロバート photo by Kawakita Ken

 とはいえ、当時の日本ではまだ、エアレースの知名度は低かった。世界を転戦するチーム・コーディネーターとしてチーム・ムロヤの運営を担い、毎年、参戦を続けるためにはさまざまな苦労があったという。

 しかしロバートは、「実際にパイロットとして戦っている室屋さんのほうがはるかに大変。それに、僕は彼の才能を信じていたから、いつか絶対に成功するだろうと思っていたし、あんまり心配してなかったんです」と話す。

 古くからの友人として、同じ「飛行機乗り」の仲間として、そして、エアレースという厳しい戦いに共に挑む大切なパートナーとして、室屋の才能を確信していたロバート。長い信頼関係を築いてきた彼の存在は、間違いなく大きな支えになっているはずだ。

 一方、アメリカ人のベンジャミンは、レースでの飛行ラインの解析や機体のセッティングなどを行なうレース・アナリストとして室屋をサポートする。ハンサムで、いかにも「頭がよさそう」なメガネ姿の彼もまた、優秀なエンジニアであると同時に、かつては曲技飛行「エアロバティックス」の選手として活躍した腕利きのパイロットで、今でも飛行教官を務めている。

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