日本人9人目のチャレンジャー佐藤琢磨、
インディ500優勝への道のり

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 そして今年、琢磨はフォイトからアンドレッティ・オートスポートに移籍する。琢磨はホンダ陣営のチームで走る必要があるが、様々な事情でフォイトがシボレー陣営に移ることになったためだ。

 琢磨を走らせるチームのオーナーはマイケル・アンドレッティ。歴代3位の42勝を挙げた元ドライバーで、F1で走った経験もあることから、琢磨には参戦当初から注目をしていたという。レギュラー4台を走らせる彼のビッグチームに比べ、フォイトは細々と1台か2台を走らせる体制だったが、時折、アンドレッティの4台を凌ぐパフォーマンスを見せ、マイケルに悔しい思いをさせていた。

「タクは技術に対する理解が深く、マシンのセッティング能力が高い。しかもファイターだ。そしてもうひとつ重要なのは、チームプレーヤーとして戦える人柄のよさを備えているところだ」とマイケル。琢磨にはチーム入りの前から、最上級の評価が与えられていた。そして実際にチームで働き始めると、マイケルの琢磨への評価はさらに上がっていった。

 インディでの琢磨の予選は4位。狙っていたフロントローを惜しくも逃したが、それも思い切ったアタックにチャレンジした結果だった。

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