狭いコースに幅広マシン、「発射台」も登場。今年のモナコは一触即発 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 木曜のフリー走行で5番手のタイムを記録してみせたトロロッソのカルロス・サインツは、今年のマシンで走るモナコの速さに驚いたという。

「ラップタイムにすれば去年と1~2秒の差でしかないけど、1周が1分10秒ちょっとのモナコでその差はものすごく大きいんだ。ものすごく速く感じたよ!」

 ただし、その驚異的な速さというのが誰でも簡単に味わえるわけではない。そのためにはマシンの限界までプッシュし、タイヤの性能を最大限に引き出す必要がある。速度が上がれば上がるほどダウンフォースが増し、タイヤのグリップも引き出せるのだ。

「今年のクルマの限界を引き出すためには、今まで以上にハードにプッシュし、タイヤのグリップレベルを限界で維持する必要があるんだ」(ボッタス)

 ガードレールに囲まれ、わずかなミスがクラッシュにつながる。ただでさえ難しいモナコが、今年はマシンの進化によってさらにその難易度を上昇させている。

 昨年ここで3位表彰台を獲得したセルジオ・ペレスは、ザウバー時代から印象的な速さを見せるなど、モナコを得意としているドライバーだ。しかし、そんな彼でもクラッシュによる欠場やリタイアを経験してきた。

「どんなドライバーだって、このモナコではいいほうも悪いほうもいろんな感情を経験しているものだよ。予選で最高の走りをできたときの快感といったらないし、常にマシンの限界を感じることができるし、その一方でここはミスも犯しやすいし、簡単に間違った方向にも進みやすい」

5 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る