驚異の集中力で予選5位。激走アロンソはインディ500で勝てるのか (4ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 幸いアンドレッティ・オートスポーツにはチームメイトが5人もいるので、乱気流を浴びながらのトラフィック・ランも体験しやすいし、全員で行なうテクニカル・ブリーフィングからも多くを学ぶことができる。とはいえもちろん、それらはすべて、アロンソが驚異的な集中力を発揮し続けているからこそ実現しているものだ。

 走行中も多くのことをトライし、1ラップずつ、何かしらを学び取る。集中力を途切らせることがない。F1で2度もチャンピオンになるドライバーというのは、それが可能な体力と精神力を備えているということなのだろう。

 アロンソの予選は、直前のプラクティスでエンジンから異音が出たため、フレッシュなエンジンに積み替え、そのチェックのための走行はゼロでのアタックとなった。そのためかターボの制御に不備があり、ブースト圧が規定値を超えたことから減速を強いられた。それでも結果は5位。3台ずつ並ぶ2列目中央グリッドの好位置を確保した。

 アクシデントを起こすことなくプラクティスから予選までの8日間をクリアし、1次予選で7位、2次予選で5位に食い込んだアロンソ。マシンコントロール能力の高さ、技術に対する深い理解度に加え、マシンの動きを細かな部分まで感じ取る能力によって、危機を回避し続けた。

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