ザウバーのF1シートは見えている。松下信治と福住仁嶺がダブル優勝 (7ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 今年、コンセプトが変わってデグラデーション(性能低下)が大きくなったタイヤと、新たに導入されたDRS(/レース1で6回、レース2で4回の使用が可能)の使い方という新たな要素にも福住はきちんと適応してみせた。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。ドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

 F2とは違い、たとえタイトルを獲得してもスーパーライセンス取得の要件は満たせないだけに、F1昇格のチャンスがないGP3残留には不満だった福住だが、「とにかく勝つこと、今の自分にできるのはそれしかない」と気持ちを入れ換えて臨んでいる。

 ホンダがザウバーへのパワーユニット供給を正式に決めたことで、日本人ドライバー起用の可能性に注目が集まっている。もちろん、松下がその筆頭候補であることは間違いない。ランキング3位以上に入ればスーパーライセンス取得の要件を満たし、ザウバーが合意すればF1デビューを果たすことになる。FIA F3ヨーロッパ選手権に参戦している牧野任祐(まきの・ただすけ/19歳)にもチャンスはあるが、こちらはランキング2位以上に入らなければならず、苦戦している。

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