ザウバーのF1シートは見えている。松下信治と福住仁嶺がダブル優勝 (6ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 開幕前のテストでもトップタイムを記録し、バルセロナ初日のフリー走行でも首位。予選ではアタックミスを犯したにもかかわらず2番グリッドに踏みとどまる。そしてレース1ではスタートでトップに立ち、チームメイトを秒差のバトルで抑えて首位を走り続けた。途中、弱気の虫が顔をのぞかせた瞬間もあったというが、今年の福住がそれに負けることはなかった。

「実はスタート練習ではずっとよくなくて、フォーメーションラップに出て行くときのスタートも全然ダメで、ヤバいなと思って自分なりに意識していろいろとやってみたら、それがうまくいったんです。その後はタイヤマネージメントをしながら攻めるべきところは攻めていたんですけど、後ろが近づいてきて『ちょっと厳しいかなぁ』って思ったときもあったし、残り5周はどうなるかなってちょっと恐かった」

 追い抜きが難しいGP3マシンで、レース2は8番グリッドから6位まで上げてフィニッシュ。8ラウンド中1ラウンドを終えて、ランキング首位に立った。

「流れはテストのときからすごくよかったですし、プッシュしたらプッシュしたぶんだけタイムが出るという感じで、フィーリングはすごくよかった。全体的に落ち着いて走ることができたし、レースの流れの作り方というのがあると思うんですけど、そのへんが少しよくなってきたかなとも思いますし、今シーズンを通してこういうレースをしなきゃいけないと思っています」

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