ザウバーのF1シートは見えている。松下信治と福住仁嶺がダブル優勝 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「躊躇していたらあっという間に終わっちゃいますから、1年が。だからアグレッシブに行こうっていうのはもう自分で決めていて、それが成功すればまた自信にもなるし、その積み重ねでどんどんいい流れができてくるんです。速いヤツってそういう力があると思いますからね」

 レースはまさにそのとおりの展開になった。スタートで順位を上げ、最初にソフトタイヤを履いて途中でハードに換えるという、周りとは逆の戦略で攻めのレースをやった。絶好のタイミングでセーフティカーが入ったことでピットストップのロスが小さくなったことも追い風になり、4位まで浮上してフィニッシュ。

「けっこう思い切った走りができたんで、そこは去年とは違うかなと思いますね。ターン1も1周目の争いもアグレッシブにできたし、それ以降もアグレッシブでいいレースができたと思います」

 清々しい表情でそう語った松下は、翌日のレース2では5番グリッドからのスタートで3位まで浮上すると、中盤に2位のグスタフ・マルジャ(スウェーデン)を抜き去り、3秒前を行く首位のニコラス・ラフィティ(カナダ)にプレッシャーをかけていった。そしてラフィティがブレーキングをミスしてコースオフしたことで、松下に優勝が転がり込んできた。

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