ザウバーのF1シートは見えている。松下信治と福住仁嶺がダブル優勝 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 その失望からこの第2ラウンド(スペイン)に至るまでに、チームは大きな危機を乗り越えたという。

「あのレース(バーレーン)の後は、チームとしてもなかなかうまくコミュニケーションを取ることができなかったんです。僕も感覚がよくなかったし、チームもミスを犯したし、ちょっとしたことから間違った方向に進んで戻れなくなってしまったんです。でも、"ビッグミーティング"をやって『もう一回がんばろう』って仕切り直して......」

 予選では最後のアタックで2~3番手のタイムが出せそうなところにいたが、目の前にいたマシンがスピンを喫して黄旗が出され、そのアタックは無効に。結果、10番グリッドというまさかの位置からレース1に臨むことになってしまった。

 昨年までの松下なら、これで尻すぼみのレース週末になっていたかもしれない。しかし、今年は違った。

「あんまり引きずらないようになりましたね。よくなかったこともフッと忘れられるというか、忘れはしないですけど、『まぁ、しょうがないか』っていうふうに考えられるようになりました。いい結果を出せば、そんなの払拭できますから」

 ミスや不運に引きずられるのではなく、結果で帳消しにすればいい。そのためには、躊躇などしている暇はない。

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