馬力アップでアロンソも手応え。ホンダの「改善」が、ようやく第1歩 (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ちなみにメルセデスAMGとフェラーリのパワーユニット性能はいまや同等で、ルノーもバルセロナ換算で0.3秒差にいる。これをもとに算出すれば、車体性能ではフェラーリとメルセデスAMGが僅差でワンツー、レッドブルも0.2秒差まで大きく肉薄し、それに次いで0.95秒差のマクラーレンがいる。ウイリアムズやフォースインディアなど中団勢は1.6~1.7秒差で大きく遅れている。

 つまり、マクラーレンは車体面でもそれだけ中団勢よりも大きな進歩を果たしたということになる。

 金曜フリー走行では、走り出してすぐにアロンソのパワーユニットが派手なブローに見舞われて「エンジンの下にぽっかり穴が空いていた」(長谷川総責任者)という事態に陥った。だが、ピットガレージは慌ててはいなかった。

「最初にオイルフィードポンプが壊れたようです。それで油圧が落ちて、すぐに止めてくれと指示を出したんですがそのまま走ってしまったので、その結果としてエンジンブローが起きました。完全に油圧がなくなったところで普通にシフトアップして、回転数を全開まで上げてストレートを走っていってしまったので......」

 そうなってしまった理由は、マシンデータをリアルタイムで監視するテレメトリーの電波がしばらく途切れ、電波が戻ったときにはすでに油圧がゼロになっていたこと、そのせいでエンジニアからの「止めろ」という指示が遅れたこと、そしてそれを聞いたドライバーがすぐにスロットルを緩めなかったことが合わさって起きたオペレーション上の問題だ。また、昨年まではステアリング上にあった警告灯を今年は使わないようにしていたことも影響した。

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