馬力アップでアロンソも手応え。ホンダの「改善」が、ようやく第1歩 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 パワーサーキットのロシア(ソチ・アウトドローム)では首位メルセデスAMGに3秒差をつけられ、「ストレートだけで3秒失っている」とホンダのパワー不足に不満をぶつけたアロンソだったが、本当にパワーユニットでどれだけのロスを強いられているのかというと、マクラーレンのチーフエンジニアリングオフィサーとして開発の中枢にいるマット・モリスは苦笑いをした。

「我々はメルセデスAMGに対して70kWの差を背負っている。彼らは予選で15~20kWも出力を伸ばしてくるからね。ソチはパワーエフェクト(出力がタイムに与える影響)が大きく、通常約0.2秒/10kWのところが約0.25秒/10kWにもなる。ということは......計算すればわかるよね?」

 つまりは、ロシアGPでは3秒差のうち1.75秒がパワーユニット、残り1.25秒が車体の差だったという。車体性能としては「レッドブルには及ばない4番手」(モリス)であり、ウイリアムズやルノーなど中団勢との差もかなり小さかった。

 これがスペインGPのアップデートによって、どう変わったのか。

 バルセロナはモナコ、シンガポール、ハンガリーに次いで4番目にパワーエフェクトが小さいサーキットで、通常の約0.2秒/10kWよりも小さい。70kW(=バルセロナで約1.05秒)あったパワーユニットの差は、今回のアップデートによって0.95秒程度にまで縮まり、残り0.95秒は車体の差ということになる。

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