馬力アップでアロンソも手応え。ホンダの「改善」が、ようやく第1歩 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「アップデートの内容は昨年のイギリスGPに投入したスペック2と同じようなものですが、出力向上幅はそれよりも大きいくらいです。シーズン中のアップデートとしては十分に大きいものだと言えます。特に低回転側の出力が大きく上がっているので、その効果として回転数のオシレーション(共振)がかなり改善されていることはデータからも明らかです」(ホンダ長谷川祐介F1総責任者)

 こうしたアップデートの効果が、予選7位という結果につながった。これはつまり、メルセデスAMG、フェラーリ、レッドブルの3強チーム6台に次ぐポジションなのだ。

 しかし、手放しで喜んでばかりもいられない。2強がほぼ同等、レッドブルが0.5秒差につけているのに対して、マクラーレン・ホンダは1.899秒差も離されており、さらにそこから0.2秒以内にフォースインディア、ウイリアムズ、ハース、ルノーがひしめいているからだ。

 予選後に上機嫌だったアロンソ自身も、そのことを指摘した。

「まだトップとは2秒の差があるんだ。これは大きな差だ。パワーユニットで何秒失っているかはわかっているし、シャシーとしてはコンペティティブ(競争力がある状態)で満足しているけど、まだ完璧ではないし、空力的にもメカニカル的にも改善すべきところはある。他チームから頭ひとつ抜け出しているメルセデスAMGやフェラーリに追いつくためには、もっと努力が必要だ。だけど、僕らも車体としては彼らの背後に追いつくことは可能だと思うよ」

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