ザウバー・ホンダ誕生の事情。
両陣営が抱える「メリット&デメリット」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 スーパーライセンス取得の要件や、その周辺の状況など、ルールは複雑です。そういったことは半年後に話題にすべきことであって、現段階で語ることはまだ難しいと言えます。チームにとってはコンペティティブ(競争力がある)なドライバーを起用する必要がありますし、最終的にはドライバー選択はチームの責任です。過去のパートナーとの関係がそうであったように、ホンダとの関係のもとでもそういったアプローチを採ることになります」

 そうは言うものの、実際にはすでにホンダが望むドライバー起用に関する条項が契約に盛り込まれていると考えるべきで、レギュラーシートのみならずテストやフリー走行といったチャンスも増えることになるだろう。

 あとは、若手日本人ドライバー自身がF1に必要とされるスーパーライセンスを取得する"準備"を整えられるかどうか、というだけだ。具体的に言えば、F2に参戦する松下信治とユーロF3に参戦する牧野任祐のふたりに来季のF1昇格のチャンスがあり、あとは彼ら次第なのだ。

 ザウバーとホンダのパワーユニット供給契約は、お互いにとってデメリットを補って余りある大きなメリットのある相思相愛関係だと言える。ある意味では、お互いにソロバンを弾いたうえでの打算的な関係でもあるが、レースの世界は結果がすべて。双方にとって実り多い提携関係になることを願うばかりだ。

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