ザウバー・ホンダ誕生の事情。両陣営が抱える「メリット&デメリット」 (7ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 日本でF1を盛り上げるために、日本人ドライバーの存在が不可欠であることはホンダもよくわかっている。現状では"持参金"のないドライバーがF1にステップアップすることはほぼ不可能であり、このような機会創出のためにもカスタマー供給は不可欠だった。ザウバーとの交渉の中心となった山本雅史モータースポーツ部長も、そのことをはっきりと認めている。

 かつて小林可夢偉が2010年から3年間にわたって在籍したザウバーは、日本との関係も深い。カルテンボーン代表自身もザウバーのスタッフたちも日本人をよく知り、日本人との関係構築には長けている。

「まさにそのとおりです。我々は日本人ドライバーがいて鈴鹿で表彰台に乗ったチームですからね! 日本の人たちとすばらしい関係を築いてきました。ホンダとも非常にいい関係を構築していると、心の底から自信を持っています」

 日本人F1ドライバー起用の可能性について、カルテンボーン代表は含みを持たせてこう語る。

「現時点では何もわかりません。これからの状況を見守っていくべきでしょう。過去にも我々はそういった要素も含んだ戦略的な提携関係を(フェラーリとの間に)結んだこともありましたし、我々との間でそういった関係を結びたいとホンダ側が希望するかどうか、あらゆる可能性を吟味すべきだと思います。

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