スーパーGTはレクサス連勝。名門セルモが富士を制した2つの分岐点 (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 ただ、決勝ではこの"数メートル"の先行がその後、大きくものを言うことになる。追い抜きシーンが多いことで人気を集めているスーパーGTだが、最近は特にGT500の進化が目覚ましく、GT300との混走がない状態で追い抜きをするのは、非常に困難だ。特にレース前半はGT300との混走シーンが比較的少ないため、予選の順位のままレース後半に向かう展開になることも多い。

 第2戦の富士でも、スタートドライバーを務めた立川は何度かライバルの接近を許してピンチとなったものの、ポールポジションの優位性を生かしてトップのまま1回目のピットストップを迎えることができた。38号車が今回勝てたのは間違いなくこの優位性の恩恵があったためであり、立川が予選で見せた1分27秒台のアタックがひとつ目のターニングポイントだったと言えるだろう。

 そしてもうひとつ、ライバルとの差を決定づけたターニングポイントは、1回目のピットストップを終えた直後の35周目だ。このときの状況について、石浦はこう語っている。

「最初の立川選手のスティントで区間タイムを見ながら、『やっぱりそう簡単に勝てるレースではないな』と思うくらい周りが速くて、今日は厳しい戦いになると感じていましたし、自分のピットアウトラップが大事な要素になると昨日の段階から思っていました」

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