ボッタスF1初優勝。最速フェラーリを抑えきったメルセデスの組織力 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

トップを走るメルセデスAMGを必死で猛追するフェラーリトップを走るメルセデスAMGを必死で猛追するフェラーリ「フラットスポットを作ってしまった直後は、もちろん間違いなくタイムを失ったよ。チームからブレーキバランスを前寄りにしてタイヤ温度を上げるよう指示を受けていたけど、今度はフラットスポットを低減するためにブレーキバランスを後ろ寄りに持っていったりしなければならなかった」(ボッタス)

 チームからは「オーバーテイクボタンをストレートの早い段階から使え」といった、パフォーマンスを最大化するためのアドバイスも送られた。

 そんなボッタスの前に、周回遅れのマシンが現れる。ストレートが長く、オーバーテイクが容易に思えるソチ・アウトドロームだが、実はそうではない。

「ここはストレートの前のコーナーがラインはほぼひとつしかないから、前のクルマについてそのコーナーを抜けていくことが難しい。だからオーバーテイクが簡単じゃないんだ。そのせいで、周回遅れで多くのタイムを失ってしまった」

 こうした苦労は、ドライビングのリズムを狂わせることにもなる。ウイリアムズ時代からソチ・アウトドロームを得意としてきたボッタスは、そのリズムこそがこのサーキット攻略のカギなのだと明かす。

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