ボッタスF1初優勝。最速フェラーリを抑えきったメルセデスの組織力 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 ボッタスはこう語る。

「僕らにとって最大の懸念はもちろん、スティントの序盤だよ。金曜の走行でもフェラーリは燃料を積んだ状態で速かったし、予選でもタイヤをすばやくウォームアップしていたけど、僕らはそれに苦労していた。でも金曜から日曜にかけて、フロントとリアが同じように機能するようにマシンをうまく調整することができた。今日はすべてがうまく機能し、序盤からフィーリングがよかったよ」

 ボッタスは最初のラップで2位ベッテルに対してあっという間に2秒のギャップを築き、その後もジワジワとそれを広げていった。前後バランスに苦しんでいたのはベッテルのほうで、その症状が治まったという20周目を迎えるころには、もう両者の差は5秒にもなっていたのだ。

 ストレートが長くフロントは冷えやすい反面、低速90度コーナーの連続でリアがオーバーヒートしやすいソチ・アウトドロームでは、前後のタイヤの温まり方に差が生じやすく、それをいかにうまくコントロールしてマシンバランスを整えるかがセットアップのカギとなる。メルセデスAMGは序盤3戦に苦しんだタイヤのオーバーヒート問題を克服すると同時に、その点もうまく対処したことになる。

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