突如わき出た「F1ホンダ救済」報道。本当は何が起きていたのか? (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 今後のICEのアップデートでいかにV6としての燃焼を改善し、出力を増すかというのがカギになるが、その方向性は見えつつあるという。

「ベンチ上ではけっこう(成果が)見えているタマが出てきているので、近いうちに実戦投入できればと思っていますし、準備が出来次第、投入したいと思っていますが、次のレースということではありません」(長谷川総責任者)

 そうなるとICEのアップデートは第6戦・モナコGPか第7戦・カナダGPが当面の目標となるが、このアップデートでいきなりライバルとの差を縮めることは難しく、あるチーム関係者は「最初のアップデートでは昨年型を少し上回る程度まで挽回するのがせいぜいではないか」と見ている。つまり、メルセデスAMGとはまだ60馬力程度の差が残るというわけだ。

 それでも、一部で報じられたようにメルセデスAMGにコンサルティングを依頼するというウワサに関しては、「それはないですね。仮定の話に対して何も言うこともありません」と長谷川総責任者は全面否定した。

 昨年、長谷川体制に移行してからというもの、ホンダは積極的に外部のエンジニアのリクルートに乗り出し、ホンダのF1研究開発施設がある英国ミルトンキーンズでは、メルセデスAMGなどから移籍を希望するエンジニアの面接も頻繁に行なわれている。栃木県のHRD Sakuraでの常駐勤務が難しければ、3ヵ月といったような短い期間での勤務や、ミルトンキーンズでのコンサルタント的立場での関わりといった方法も採られている。

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