突如わき出た「F1ホンダ救済」報道。本当は何が起きていたのか? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 たとえばトークンフリーにするとか、使用基数制限を緩和するとかいったことで、救済策ではありません。実際にはその性能差の判断基準も曖昧なままで結論は出ていませんし、(4月25日の)ミーティングでそういった話も議題には上がりませんでしたけどね」

 そして、少なくともホンダとしてそのような要請をすることはあり得ないと、長谷川総責任者は断言した。

「もちろん我々からはリクエストしていませんし、リクエストすることもありません。たとえば、新規参戦メーカーにとってこれは厳しすぎるなど、正当な理由でレギュレーションを変更することはあるかもしれません。ただ、アンフェアにウチのためだけに何かをしてくれというようなことは、あってはならないと思っています」

 ただし、パワーユニットメーカーとしてこのような見方、報道がなされてしまうような状況自体を「そりゃ、ものすごく恥ずかしいですよ」と長谷川総責任者は率直に認める。

 パワーユニットの出力という点で、ホンダが他社に大きく後れを取っているのは明らかな事実だ。

「メルセデスAMGは昨年から20馬力近く出力を向上させてきた。フェラーリは昨年末の時点でメルセデスAMGに10~15馬力ほどの差をつけられていたが、メルセデスAMGから多くのエンジニアを引き抜いてきたこともあり、今年はほぼメルセデスAMGと肩を並べている。ルノーとフェラーリの差は昨年末の時点で30馬力ほどで、ホンダはそこからさらに20~30馬力差だった」

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