クールな中嶋一貴が大喜び。
1年半ぶりにスーパーフォーミュラを制す

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 さらに、岡山国際サーキットで行なわれた第5戦。第1レースで中嶋はポールポジションを獲得するが、フォーメーションラップを終えた際に停車しなければいけないグリッドを通り過ぎてしまい、痛恨のペナルティを受けて優勝のチャンスを逃してしまう。その後も不運なトラブルなどが重なり、2011年の参戦以来、自身初めて未勝利に終わる不本意なシーズンとなってしまった。

 そして2017年。2週間前に開幕したスーパーGTに2014年以来となる復帰を果たすも、予選Q2では雨に足もとをすくわれてコースアウト。決勝でも一時はトップに立つが、ライバルとのバトルの際にミスしてコースアウトを喫し、レクサス勢同士の表彰台争いから脱落して5位でレースを終えた。

 中嶋からすれば、WEC第1戦で勝利を飾ったものの、「日本国内のレースでしばらく勝てていない」という事実が自然とプレッシャーになり、それが精神面で大きな負担となっていたのかもしれない。

 そんななかで迎えた、スーパーフォーミュラ開幕戦。予選日の前日に行なわれた練習走行で、中嶋はトップタイムを記録する。そして決勝グリッドを決める公式予選では、1分35秒907を記録してポールポジションを獲得。昨年チャンピオンの国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)をわずか0.090秒差の僅差で抑え、チームの期待に応える見事な走りを披露した。

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