序盤戦で見えたF1ホンダの悲しすぎる現実。勝負は夏休みまで我慢 (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

「それができないなら、もう来ないほうがいいですよ。何が何でも次までには対策を講じたいと思っています」

 トラブルが多発したことは、確かに大きな落胆をもたらした。バンドーンに至っては、決勝をスタートすることすらできなかったのだ。

 しかし、それよりも深刻だったのは、パフォーマンス不足のほうだった。

「ストレートの立ち上がりが遅い。こんなにレスパワーでレースしたことは今までに一度もないよ!」
「クソッたれ! ストレートで300mも後ろにいたのに横に並ばれた!」

 アロンソは決勝の最中に無線で怒りを爆発させた。レース後、無線での暴言について彼はこう説明した。

「今日の僕らがストレートで抱えていた不利は驚くべきものだった。ストレートの立ち上がりでミラーを見て、後ろのクルマが300mとか400m後方にいたから、彼の存在は気にすることなくステアリングのボタンを操作変更していたら、気づいたらブレーキング時に彼がすぐとなりにいたんだ。あれにはビックリしたよ。ストレート1本で300mもギャップを縮められてしまうんだよ? フラストレーションを感じるよ」

 そして最後は11位争いを演じていたが、1コーナーでフロントタイヤをロックさせてダニール・クビアト(トロロッソ)に抜かれ、「エンジン! エンジントラブルだ! BOX(ピットイン)する」と言ってピットガレージに戻ってマシンを降りた。

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